コロナショックからの活動

  MeLoSはコロナショック中の2020年からスタートし、その活動は4年目となり、2年おきに開催する総会も2回目を迎えることになりました。4年間の間、これまでクライアント様のそれぞれの歯科クリニックの院内で毎月セミナーを開催し、デジタルデンティストリーを院内のスタッフ様に定着させるというコンサルティングを行ってきました。矯正治療のデジタル化という観点でインビザライン治療を、修復においてはセレックを用いたデジタル修復を、そして口腔内スキャナーとCTデータを活用したインプラント治療を3本の軸として、歯科治療全般のデジタル化を推し進めることをサポートしてきました。(MeLoSの沿革に関しては詳細はこちら:https://melos-twheels.jp/)また、デジタルデンティストリーを進めていく中でも、患者様の口腔内を上手く治すためには、これまでの伝統的歯科治療の知識や技術の必要性は重要度を増すばかりですので、各専門分野において活躍されている中でも、柔軟に新技術を取り入れられている先生方に講師としてご指導していただくお願いを4年をかけて徐々に行ってまいりました。

近年の歯科医療技術の進歩

 歯科界においては矯正、修復、補綴のそれぞれの分野で別々の技術革新が生じていたところから、2022年ごろから、これら各分野のデジタル技術を組み合わせて診断に生かし、ワンストップで診断から補綴完了までデジタルデンティストリーを活用した治療を行うことが可能になってきました。今回のセミナーでは、それらの先端技術を活用した歯科治療や、デジタルデンティストリーを活用した、フルマウス症例に対する診断技術に関しても取り扱えればと思います。デジタル技術を活用した診断と治療実行を行う際には、根管治療、歯周治療や、補綴終盤でアナログ的観点での精密な歯科治療を行う必要がありますので、各専門分野の治療の最先端の治療技術に関しても取り扱います。

若手歯科医師の学習プロセスの変化

 これらのデジタルデンティストリーを若手歯科医師に教育していく過程で、私が約10年前に歯科医師になったころの歯科治療の学習順序から、現代の若手歯科医師の歯科治療の学習順序には大きく変容がある必要があると感じるに至りました。私が歯科医師になったころは、GP(一般歯科医)は、まずう蝕処置、根管治療、補綴、外科処置などをそれぞれ一つずつ学び、一通り保険治療ができるようになってから審美修復やインプラントなどの保険外治療の分野を学習し、その後に包括的なフルマウスでの治療の診査診断学や、矯正治療を学び始める、といったものが主流でした。しかし、ここ5年でインビザライン治療や、セレックなどのCADCAM修復、そしてガイデッドサージェリーでのシミュレーションされたインプラント治療などの普及により、若手の歯科医師でも昔は習得に時間を要した保険外治療の技術習得が容易になりました。さらにこの2年の技術進歩で、フルマウスでの治療計画にデジタルテクノロジーを活用にできるようになってからは、数年前までは基本技術の習得の後に多額の費用を捻出して勉強会に学びにいく必要のあった包括的歯科治療における診断でさえ、若手歯科医師でもチャレンジできるようになっています。現に私のクリニックでは、1年目の若手歯科医師が、デジタルでの矯正を含むフルマウスの治療計画を作成し、患者様にそれを説明し、インプラントを含む保険外治療を主体とした包括的歯科治療をほとんど一人ですすめている光景を当たり前のように目にします。私が矯正を含むフルマウスでの包括的治療を自信をもって行えるようになったのは少なくとも歯科医師歴5年目以降であると記憶していますので、それと比べることからも、時代と共に進歩するデジタル技術の革新はすさまじく、若手歯科医師の成長速度を昔の2倍にも3倍にも加速していることを感じられます。

海外で行われている歯科治療との比較

 これらの技術革新とともに歯科治療を進めていく中で、コロナショックが落ち着いた2023年から、私の歯科医師キャリアの中で初めて海外のセミナーを受講する機会がありました。その時に感じたことで最も印象に残っているのは「日本で行われている最先端技術を用いた歯科治療は、海外でも遜色なく世界最先端である」ということでした。コロナ禍で海外との意見の交換や物理的な交流の機会は減っているはずでしたが、先進技術に関しては情勢が不安定な中も国内で革新が起きていることは見て取れたので、私はこの事象は、日本国内で広まっている新技術自体に遅れはないですし、それを活用して行われている日本の歯科医療のレベルは非常に高く維持されているということである、と理解しました。インスタグラムをはじめとするSNSにおいて綺麗な形成、歯周外科、根管治療、矯正治療などの症例を掲載して技術で世界中に知られている日本人歯科医師が注目されている状況になっていることも重なり、日本の歯科治療は、「精密さ:precision」という観点において非常にレベルが高く、言語の壁があるものの、技術の面では全世界の歯科医師をリードできる立場にあるのではないかと推察しています。

今、求められている勤務医教育

 一方で、若手歯科医師の教育の仕方を変えていかないといけないという事実もあります。先に書かせていただいた通り、技術革新とともにハイスピードで治療習得をできるようになったということは、その速度で学習させないと世界の進歩に遅れをとるということです。このハイスピードな治療技術と知識習得に必要な観点が、「フルマウスでのデジタル技術を活用した診断技術の獲得」とその後に控える「各専門分野の治療領域のトレンドの技術と知識の習得」です。(これに関してはMeLoSホームページでも「マクロの学習」「ミクロの学習」という観点で書かせていただいているので一度見ていただければ幸いです。https://melos-twheels.jp/)私たちMeLoSは、若手の歯科医師にこれらを学んでいただくことにより、できる限り最速で、最先端の治療技術を習得し、そして自学自習を続けながら自身の知識と技術をその後もアップデートし続けることができ、さらにその知識や技術を次世代の歯科医療従事者に伝えることのできる歯科界を目指しています。さらにその歯科医師が、世界中の歯科医師を対象に教育を行い、最先端の日本の高品質な歯科医療を広める働きをできるのが理想です。

勤務医を採用される院長先生へ

 近年の開業コストの増加と大手法人の台頭により、「開業したくない」若手の先生が増えています。一方で「開業しないと満足な収入が得られない」という事実もこれまではありました。私たちMeLoSの目指す勤務医の先生とクリニックの関係性は、以下の2つになります。①開業という手段をとらなくとも、勤務されている先生が、所属している法人の中で開業するのと同水準の給与を得続けることができて、さらに自身の歯科医師としての社会における役割と、組織の中での自身の役割(職務)を明確に理解できている状態で辞めないこと。 ②開業される先生の場合でも、独立までの期間中の組織内でのその先生の役割を明確にし、次の世代の歯科医師や衛生士に教育する役目を担い、その教育した経験ががその歯科医師自身の成長につながるものであり、生きる糧になること。この2つを実現するためには、デジタルデンティストリーの時代に即した学習手順に則った指導が必要です。私たちはそれのお手伝いができればと考えていますが、まずはそのエッセンスをこの総会でお伝えしたいと考えています。よいドクターになるためには、自身の考えを患者さんだけでなく同業者にも上手に説明し、理解させる技術が必要です。MeLoSの教育の中で「コミュニケーションと説明はセンスではなく技術である」と教えているのですが、自身の診査診断を言語化し、わかりやすく説明する技術をトレーニングで伸ばすことをテーマにしております。この総会における若手の先生の発表の機会が、スピーチ技術と論理的思考能力を持ったドクターの育成の場になることにご期待いただけると嬉しいです。何卒若手の先生のご参加を促していただけませんでしょうか。よろしくお願い申し上げます。

若手歯科医師の先生がたへ

 私の目から見た日本の歯科医療はとても進んでいますし、今回ご講演をお願いしている先生方の診療はとてもスマートかつ的確であり、治療結果も非常に素晴らしいと感じています。そんな日本の最前線を走っておられる先生方の講義を一同に聴いていただける機会としてこのセミナーをご活用いただければと思います。症例発表のセクションではご参加いただくみなさまと同じ世代の歯科医師たちが、創意工夫を施した症例の発表をいたします。自分の力で考えて診療を組み立てる重要性と、話す技術の重要性を是非体感していただき、歯科医師のキャリア形成の一助となればと思っております。次回総会は2年後に開催予定ですが、その時には是非コンテスト発表者としてご参加いただき、ご自身の能力向上、経験値獲得の機会としていただければ嬉しいですので、是非コンテスト初回の今回は見学というお気持ちでお越しいただければと思います。

10年以内の若手医師に症例を発表していただきます。
優勝したチームには、賞金を贈呈いたします!
若手歯科医師の「自力で考えて解決策を考案する力」「他者にわかりやすく伝える力」を育むことを目的にしています。

  • 1チーム3名までで症例準備
  • 発表者は1人、質疑応答は他の2名も参加可能
  • 発表スライドは30枚まで
  • 発表時間は10分から15分。15分を超えると減点
  • 質疑応答も含め1チーム30分
  • テーマは「治療計画に創意工夫した症例」(デジタルでなくても可)
  • 診療をいかにスマートに取り組んだかも評価対象に
  • 講師の先生による採点により評価
  • 優勝チームには賞金あり

オンライン視聴することはできませんか?

会場での参加または開催後日のアーカイブ配信となっておりますので、リアルタイムでの配信は予定しておりません。

銀行振込でお支払いすることはできますか?

お支払いはクレジットカード払いのみの対応となっております。

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所在地

東京都新宿区西新宿1丁目26番2号新宿野村ビル2階
野村コンファレンスプラザ新宿

交通

JR線・京王線・小田急線「新宿」駅西口 徒歩7分
東京メトロ丸ノ内線「西新宿」駅2番出口 徒歩4分
都営地下鉄大江戸線「都庁前」駅B2出口 徒歩3分
(B2出口:23:00まで)

タイトル第二回 MeLoS総会2024
開催場所野村コンファレンスプラザ新宿
開催日時2024年11月24日(日) 10:00-17:00
対象 / 定員歯科医師のみ / 100名
料 金症例発表+講師5人のセミナーに現地参加 33,000円(税込/昼食付)
講師5人のセミナーのアーカイブ視聴 27,500円(税込)